【次世代シーケンスデータ解析サービス】
バイオ医薬品や生物由来原料を対象とした各種データ解析サービスをご提供いたします。データ解析は、生物学・データ解析の両方に精通した専門家集団である日本バイオデータで実施いたします。
次世代シーケンサーの実用化により、塩基配列データの取得コストは極めて低くなりました。この技術革新により、ゲノム情報や遺伝子発現情報を網羅的に解析する試みが一般的なものになりつつあります。それら多量の塩基配列データを解析し、生物学上の意味を見いだすにはバイオインフォマティクス(生物情報技術)と言われる解析技術が必要です。
日本バイオデータには、細胞培養等の生物実験からシーケンシング、データ解析まで、次世代シーケンサーを用いた研究を行い、論文発表、特許出願の経験のある研究者が所属しています。
■サービスの特徴
① ICHQ5Aガイドラインで求められるウイルス安全性試験をNGSで代替します。
ICH-Q5A(R2)ガイドライン案では、次世代シーケンシング(NGS)などの新しい代替試験の
活用が奨励されています。丸紅ケミックスは、日本バイオデータ・生物科学安全研究所と共同で、
NGSでの代替試験の開発を進めています。
詳細はウイルス安全性評価試験受託サービスのページをご覧ください。
② 「解析のための解析でおわらせない」
生物のデータについて意味のある解析を実現するためには生物データの個性と上手につきあうことが大切です。
具体的には、データを処理するにあたって直面する「一定割合の正しく処理できないデータ」への態度に
ポイントがあります。
データの個性が無視できるほどに小さい場合には、それらの正しく処理できないデータは解析方法の不備や
実装の失敗によるものでしょう。
一方で、データに個性がある場合には、生物の本質的な現象のあらわれや分析方法のノイズなど複合的な要因
によって正しく処理できないデータが発生します。
それらの問題のひとつひとつを分析して解釈する必要があります。
どんなデータでも解析できる共通の方法はありません。
そのため、生物データの解析には、データの個性を生むバックグラウンドについての知識や理解が
極めて重要です。
日本バイオデータでは、様々な生物種、様々な現象を専門に研究してきた生物学研究者たちが、
それぞれ得意な生物データを担当することによって、生物データの持つ個性を解決し、
意味の有る解析へと繋げます。
■次世代シーケンスデータ解析サービスの紹介
次世代シーケンシング(NGS)による抗体産生試験(HAP・MAP)の代替試験
NGSを用いることで、ICH-Q5Aガイドラインにて要求される抗体産生試験を代替します。
通常の抗体産生試験では被検試料をウイルスフリーの動物に接種し、一定期間後、被検動物血清中の抗体レベルあるいは酵素活性を測定することにより検出します。
NGSによる抗体産生試験の代替試験では、被検試料から抽出したDNA/RNAをNGSでシークエンスして得られたデータを解析し、ウイルス配列の有無を測定します。
次世代シーケンシング(NGS)によるヒトウイルス否定試験
ICH-Q5Aガイドラインにて要求されるヒトウイルス試験をNGSで実施します。
ガイドラインに示されているウイルスの他、PCRプライマーが設計されていないウイルスについても試験可能です。
細胞株の新規ゲノム配列整備
NGSを用いたウイルス安全性試験の実施するためには、宿主細胞ゲノムデータが必須です。
公共データベースを用いることもできますが、個別の細胞株の新規ゲノム配列を取得し、データベースとして整備することにより、より堅牢性の高い試験が可能になります。
リスク管理のためのウイルス調査
製造プロセスのウイルス安全性を担保するために、ウイルス汚染源になりやすい血清等の原材料をNGSで分析します。
状況に応じて必要な試験を選定するところから提案します。
多価ワクチン開発のための抗原型多様性解明サービス
病原菌の配列解析を行い、ワクチン開発に必要な抗原型多様性を明らかにします。
1. 解析計画立案
目的と状況を確認し、必要な解析計画を立案します。
2. データ取得
目的を達成するためのデータ取得方法を提案します。必要に応じて、公共データベースの利用も検討します。
3. 解析・報告
目的に応じて選定した遺伝子配列を抽出し、変異サイトの抽出と分子系統解析を行います。抗原型多様性を図示します。
取得済みデータ活用のためのコンサルティング
取得したものの解析しきれていないNGSデータを解析し、課題や改善案を提示します。
1. 解析計画立案
解析の目的とデータ取得状況を確認します。
2. 解析・報告
取得済データを解析し、解析結果から明らかになった研究課題や今後の改善方法を提案します。
必要に応じて、保管データの取得計画を提案します。
歩留まり向上のための培養環境解明サービス
RNA-Seqデータを取得し、バイオ生産プロセスにおける歩留まり向上を目的とした解析を実施します。
1. 解析計画立案
実際に培養を実施している研究者とディスカッションの上、解析計画を立案します。
2. データ取得
目的に応じたデータ取得のタイミングと検体数を提案します。
3. 解析・報告
主に遺伝子発現量を分析し、培養環境を定量化します。歩留まり向上のための介入方法を提案します。
薬剤の作用機序解明のための薬剤応答モデル構築サービス
RNA-Seqデータを取得し、薬剤の作用機序解明を目的とした解析を実施します。
1. 解析計画立案
実際に培養を実施している研究者とディスカッションの上、解析計画を立案します。
2. データ取得
目的に応じたデータ取得のタイミングと検体数を提案します。
3. 解析・報告
主に遺伝子発現量を分析します。文献情報と照らし合わせた上で、薬剤の作用機序を報告します。
培養細胞均一性評価のためのグループ探索サービス
シングルセルRNA-Seqデータ等を取得し、培養細胞の均一性を評価するための解析を実施します。
1. 解析計画立案
実際に培養を実施している研究者とディスカッションの上、解析計画を立案します。
どのタイミングで均一性を評価するかどうかがポイントになります。
2. データ取得
目的に応じたシングルセルRNA-Seq方法を選定し、データ取得のタイミングと検体数を提案します。
3. 解析・報告
シングルセルレベルの遺伝子発現量と多型の解析を行い、均一性を評価します。
■企業紹介
名 称:株式会社日本バイオデータ
所在地:神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1 KSP西棟2階 Tech-Pot 4-2
代表者:代表取締役 緒方 法親 博士(農学),大阪大学大学院工学研究科招へい教授
設 立:2013年2月14日 (平成25年)
ゲノミクスの研究を行うために約10年前設立され、以降サービスの売上のみで運営されているバイオインフォマティクスの先進企業です。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のパンデミックに際しては、変異株を世界ではじめて論文報告し、大学病院にPCR試薬(プライマー)を提供したり、ワクチンメーカーにサービスを提供するなど、他に類を見ない圧倒的な研究開発力を有しています。単にデータ解析が出来るのみならず、データ解析から得られた知見を既存の生産体制の中に落とし込むためのドメイン知識において比較できる他社はありません。