ウイルス安全性評価試験受託サービス|化学薬品、合成樹脂、電子材料等の輸出・輸入及び卸売りの専門商社

ウイルス安全性評価試験受託サービス

HOME > 注目商品 > ウイルス安全性評価試験受託サービス

【ウイルス安全性評価試験受託サービス】

抗体医薬品・再生医療等製品・生物由来原料等の承認申請に必要なGMP準拠のウイルス安全性評価試験受託サービスをご提供いたします。
 
試験は神奈川県相模原市にある一般財団法人生物科学安全研究所(RIAS)で実施致します。RIASは、1998年からウイルスクリアランス試験、2001年からウイルス否定試験の受託を開始、ウイルス安全性評価試験について、国内での長年にわたる受託実績により、高い専門的技術力と信頼性のある試験機関です。      

 
丸紅ケミックスがお客様の窓口として試験機関であるRIASとの契約締結までをサポートいたします。

 

■サービスの特徴

PMDAのGMP調査を受けたP2/P3ラボで試験を実施
国内で試験を実施できる強みを生かし、迅速に試験結果をお知らせ
・面倒なサンプル輸出手続きが不要で、日本語で時差のないコミュニケーションが可能
経験豊富なウイルス専門の試験責任者が試験計画を設計。ご要望に応じた細やかな試験設計の調整に対応

■試験概要

1)ウイルス否定試験
ICHQ5A「ヒト又は動物細胞株を用いて製造されるバイオテクノロジー応用医薬品のウイルス安全性評価」では、バイオテクノロジー応用医薬品の細胞株や精製前の細胞・培養液に対して、適切なウイルス安全性評価試験を実施することを求めています。マスター・セル・バンク(MCB )、ワーキング・セル・バンク(WCB )、医薬品製造のために in vitro細胞齢の上限にまで培養された細胞(CAL)における各細胞レベルで 1 度は実施するべきウイルス試験の例が示されています。

(試験例)
 レトロウイルスおよび内在性ウイルス試験
  感染性試験
  電子顕微鏡観察
  逆転写酵素活性
  その他細胞種特異ウイルス試験
 非内在性ウイルス又は外来性ウイルス試験
  in vitro試験
  in vivo試験
  抗体産生試験
  その他細胞種特異ウイルス試験 

また、外来性ウイルス汚染の可能性を高確率で検出するのに最も効果的な段階の 1 つとして、未精製バルクの段階でのウイルス試験が適切に実施されるべきとしています。

in vitro試験は、広範囲のヒトウイルスやある種の動物ウイルスを検出することができる感受性を有する各種指示細胞に、被検試料を接種することにより実施します。試験対象となる細胞基材やその調整過程から混入の可能性が考えられるウイルスの種類に応じて、適切な指示細胞を選択します。

in vivo試験は、被験物質を乳飲みマウス、成熟マウスを含む動物、及び発育鶏卵に接種することにより、細胞培養では増殖できないウイルスを検出するための試験です。被検動物の健康状態に異常が認められた場合は、その病因を調査することが示されています。


2)ウイルスクリアランス試験
ウイルスクリアランス試験は、製造工程におけるウイルスの除去・不活化の能力を定量的に評価する試験です。製造工程の各段階をラボ内に再現し、各工程に添加したウイルスが除去又は不活化されることを確認します。十分なクリアランス能力が確認できれば、全ての製造工程の評価分析をする必要はありません。

ICHQ5Aでは、ウイルスクリアランス試験を実施する上での重要な点は、どのようなウイルスを使用するか決定することとされています。選択するウイルスは、「関連ウイルス」、「特異的モデルウイルス」「非特異的モデルウイルス」の 3 つに分けられています。

「関連ウイルス」とは、製造工程で使用される細胞基材、その他の試薬類や各種物質に混在することが知られているか、あるいは存在の可能性があるウイルス類と同一又は同種のウイルスのことです。

「関連ウイルス」の入手が困難な場合や、試験にうまく適用できない場合には「特異的モデルウイルス」で代替することができるとされています。「特異的モデルウイルス」は、「関連ウイルス」と密接に関係しているウイルスです。

「非特異的モデルウイルス」は、製造工程におけるクリアランス能力を評価するために選択されるウイルスです。

以下は、ICHQ5Aに「ウイルスクリアランス試験に用いられたことのあるウイルスの例」として記載されているウイルスです。

・水疱性口内炎ウイルス(Vesicular Stomatitis Virus)
・パラインフルエンザウイルス(Parainfluenza Virus)
・マウス白血病ウイルス(MuLV)
・シンドビスウイルス(Sindbis Virus)
・ウシ下痢症ウイルス(BVDV)
・仮性狂犬病ウイルス(Pseudorabies Virus)
・ポリオウイルス Sabin1 型(Poliovirus Sabin Type 1)
・脳心筋炎ウイルス(Encephalomyocarditis Virus、EMC)
・レオウイルス 3 型(Reovirus 3)
・SV40
・パルボウイルス(Parvoviruses)

■ウイルス否定試験受託サービス

受託サービスの概要

CHO細胞やヒト細胞などの宿主細胞が用いられているバイオ医薬品の
ウイルス否定試験に幅広く対応しています。

〇試験の対象となる細胞基材や原料の例
 ・マスターセルバンク(MCB)
 ・ワーキングセルバンク(WCB)
 ・医薬品製造のためのin vitro細胞齢の上限の細胞(CAL)
 ・未精製バルク(unprocessed bulk)
 ・医薬品製造に用いられる原材料(ウシ血清など)   

copy_ウイルス受託.png

受託可能な試験項目

 

 
試験項目 試験方法等 受託状況
微生物学的
試験
無菌試験 メンブランフィルター法
(日本薬局方)
受託可
エンドトキシン試験 比色法、比濁法,ゲル化法 受託可
マイコプラズマ否定試験 培養法
(日本薬局方/欧州薬局方/米国薬局方)
受託可
マイコプラズマ否定試験 DNA染色法
(日本薬局方/欧州薬局方/米国薬局方)
受託可
マイコバクテリム否定試験     NAT法 (日本薬局方) 受託可
マイコバクテリム否定試験  培養法 受託可
レトロウイルスおよび内在性ウイルス
試験
感染性試験 S+L-フォーカスアッセイ
XC プラークアッセイ
Mus dunni 共培養
受託可
逆転写酵素活性 Q-PERT・T-PERT 受託可
(外注)
透過型電子顕微鏡解析 (TEM) 透過型電顕 受託可
透過型電子顕微鏡解析 (TEM) 電子顕微鏡観察用試料の作成(前培養含む) 受託可
非内在性ウイルスまたは外来性ウイルス試験   in vitroウイルス否定試験  3細胞 (Vero, MRC-5, CHO, HEK293, Hela等)
14日/28日
受託可
in vitroウイルス否定試験
(MMV対象) 
1細胞 マウス微小ウイルス対象 受託可
マウス微小ウイルス(MMV)
否定試験 
PCR法 受託可
in vivoウイルス否定試験  受精鶏卵、乳呑マウス、成熟マウス 受託可
ウシ由来ウイルス否定試験  9CFR  受託可
ブタ由来ウイルス否定試験  9CFR  受託可
ウマ由来ウイルス否定試験    受託可
ブタサーコウイルス(PCV)
否定試験
PCR法 受託可
ヒツジ由来ウイルス否定試験   準備中
ヤギ由来ウイルス否定試験   準備中
抗体産生試験 マウス抗体産生試験 (MAP)
ハムスター抗体産生試験 (HAP)
準備中
ウシポリオーマウイルス(BPyV)
否定試験
PCR法 準備中
[再生医療]
ヒトウイルス否定試験
PCR法
(HIV1, HIV2, HCV, HBV, HTLV, ParvoB19, WNV, EBV, CMV)
受託可



























その他の試験項目につきましては、お問い合わせください。


強みとする試験のご紹介

in vivoウイルス否定試験(成熟マウス、乳飲みマウス、発育鶏卵)は、国内で実施できる試験機関が限られています。
RIASでは、ヒト用医薬品だけでなく動物用医薬品でも本試験を受託し、多くのお客様から安定的にin vivo試験を受託しています。

試験項目拡充への取り組み

RIASでは、ICHQ5Aガイドラインに示されている各種ウイルス試験を包括的に実施する専門的なウイルス試験機関を目指し、試験項目の拡充に努めています。国際的なウイルス安全性評価試験の動向に沿って、お客様からの各種ウイルス試験のご要望に応えています。

株式会社日本バイオデータとの提携による次世代シーケンシング(NGS)
活用の取り組み

ICH-Q5A(R2)ガイドライン案では、次世代シーケンシング(NGS)などの新しい代替試験の活用が奨励されています。RIASは、生物学・データ解析の両方に精通した専門家集団である日本バイオデータと協力し、代替試験法の開発に取り組んでいます。
日本バイオデータの会社概要及びサービスの詳細については、次世代シーケンスデータ解析サービスのページをご覧ください。

○次世代シーケンシング(NGS)による抗体産生試験
NGSを用いることで、ICH-Q5Aガイドラインにて要求される抗体産生試験を代替します。通常の抗体産生試験では、げっ歯類由来細胞株中に存在する可能性がある種特異的ウイルスをウイルスフリーの動物に接種し、一定期間後、被検動物血清中の抗体レベルあるいは酵素活性を測定することにより検出します。NGSによる抗体産生試験では、被検動物血清から抽出したDNA/RNAをNGSでシークエンスして得られたデータを解析し、ウイルス配列の有無を測定します。

○次世代シーケンシング(NGS)によるヒトウイルス否定試験
ICH-Q5Aガイドラインにて要求されるヒトウイルス試験をNGSで実施します。ガイドラインに示されているウイルスの他、PCRプライマーが設計されていないウイルスについても試験可能です。

■ウイルスクリアランス試験受託サービス

RIASは1998年からウイルスクリアランス試験の受託を開始、バイオテクノロジー応用医薬品、製造に用いる原材料、生物由来医療機器など幅広い製品に対する受託実績があります。お客様の製品の特質に応じた試験設計の立案や、規制当局への回答に関する助言を含めた試験受託サービスで、お客様の薬事申請をサポートしています。

(対応例)
 抗体医薬品、再生医療等製品、ワクチン、医療機器(生物由来)、
 血液製剤、ウシ血清   

copy_ウイルス受託試験管と手.png

受託可能な工程例

 

 
工程名 メカニズム 具体例
加熱処理 不活化 液状加熱、蒸気加熱、乾燥加熱、他
化学処理 不活化 低pH処理、高pH処理、有機溶剤/界面活性剤(SD)処理、他
ろ過 除去 ウイルス除去フィルター、限界ろ過膜、他
光科学的処理 不活化 ガンマ線、電子線、マイクロ波、他
カラムクロマトグラフィー 除去 イオン交換クロマト、イムノアフィニティー



















モデルウイルスの選定

RIASが保有する様々なウイルス株の中から、期待する対数減少値(LRV)やウイルス力価などに関するお客様のご要望や試験内容に応じて、最適なモデルウイルスをご提案します。

製品特性に応じた試験設計の立案

製品、製造工程及び製造に用いる原材料などの情報から、お客様に最適な試験設計を立案します。生物由来医療機器など立体物に関するウイルスクリアランス試験の実績も豊富です。

抗体医薬のウイルスクリアランス試験

日本発のウイルス専門試験機関として、グローバル開発品に対するウイルスクリアランス試験をサポートできる体制を整えています。RIASではラボ内で実生産プロセスを確実に再現するため、お客様がラボ内のプロセスに関わるケースに対応しています。お客様のご要望に応じた温度管理下で試験を実施可能です。
*カラムクロマトグラフィー工程の実施の際には、基本的にお客様にご来所をお願いしています。
 詳細はお問い合わせください。

試験施設

神奈川県相模原市の研究施設内にウイルスクリアランス試験専用BSL2のラボを用意しています。2021年のラボ改修時にウイルスクリアランス試験専用のBSL2ラボを増設し、お客様の利便性を高めました。

ウイルスクリアランス試験設計 参考ガイドライン

・医薬審第329号(ICH Q5A(R1))  

・CPMP/BWP268/95 

・WHO technical report series 

・生物由来原料基準(厚生労働省告示第210号)

・「申請のための具体的なウイルスクリアランス試験プロトコール」

  日本PDA製薬学会 バイオウイルス委員会ウイルスクリアランス分科会

  PDA Journal of GMP and Validation in Japan Vol. 9, No. 1 (2007)

  *文献中の「畜産生物科学安全研究所」は「生物科学安全研究所(RIAS)」の旧名称です。

■試験機関の紹介

 名 称:一般財団法人生物科学安全研究所

 略 称:安全研 RIAS(ライアス)

 所在地:神奈川県相模原市緑区橋本台3-7-11

 最寄駅:JR横浜線・京王線 橋本駅(京王線特急で新宿から約40分)

沿革

1974年10月    独立行政法人農畜産業振興機構の出資を受け農林省所管の試験検査機関として発足
        【財団法人 畜産生物科学安全研究所】

1987年     GLP 体制を整備

1989年9月    厚生労働省との共管となる

1998年4月    ウイルスクリアランス試験の受託開始

2001年4月    ウイルス否定試験及びマイコプラズマ否定試験の受託開始

2010年10月  PMDAの医薬品GMP調査を受け適合取得

2013年4月  一般財団法人へ移行【一般財団法人 生物科学安全研究所】

2015年     PMDAからGCTP書面調査を受けて適合取得

2021年           生物工学研究棟 2F  大規模改修(BSL2・BSL3)

理念

農畜水産物の生産から消費までの安全性の確保、人と動物の健康及び環境の保全に係る
生物科学に関する事業を行い、もって持続的社会の発展に寄与すること

所属する学術団体・協議会など

・日本医薬品等ウイルス安全性研究会

・一般社団法人動物再生医療推進協議会 (CARM)

信頼性保証システム

・医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準(GMP)

・再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準(GCTP)

・非臨床試験の実施に関する基準(GLP)

 (動物用医薬品GLP・動物用再生医療等製品GLP・化審法GLP・農薬GLP・OECD GLP)

・信頼性基準

事業内容

【人の健康】

   バイオ医薬品・医療機器・再生医療等製品のウイルス安全性評価

   バイオ医薬品・再生医療等製品の品質管理

   狂犬病抗体検査

   公衆衛生・食品衛生の確保、食品の安全性の確保

   化学物質(化学品、農薬等)の安全性の確認

【動物の健康】

   動物用医薬品・飼料添加物の開発サポート及び品質管理

   動物用再生医療等製品の開発サポート及び品質管理

   飼料添加物の開発サポート及び品質管理

   各種臨床検査による疾病の診断

【環境の保全】

   化学物質(化学品、農薬等)の生態影響評価

   生物応答を用いる事業所の排水管理

■よくあるご質問

ケース1:ウイルス株

Q

保有するウイルス株を教えてください。

A

研究施設の安全対策の観点から開示しておりません。個別にお問い合わせください。

ケース2:試験計画

Q

試験計画について相談したいのですが、コンサルティング費用はかかりますか?

A

試験実施までは費用をいただいておりません。お気軽にご相談ください。

ケース3:サポート体制

Q

国内外の規制当局からウイルス試験について質問を受けた場合、回答内容を相談できますか?

A

ウイルス試験に関する事であればウイルス専門の研究員がサポート致します。

ケース4:試験報告書(英文)

Q

海外当局への申請に使用するため、英文で試験報告書を作成できますか?

A

英文で試験報告書を作成可能です。

■メディア掲載実績

2023年3月1日   薬事日報 7面 「短信」

2023年2月22日 化学工業日報 4面 「ウイルス試験試験でGMP認定」 (詳細は「こちら)

2022年9月30日 薬事日報 12面 「国際基準の試験受託に注力」 (詳細は「こちら)

2022年9月        PHARM TECH JAPAN Vol.38 No.12 「バイオ医薬品製造及び品質試験におけるアウトソーシングの動向」

2021年9月29日 薬事日報 11面 「PIC/S準拠の体制整備」 (詳細は「こちら」)

2021年9月        PHARM TECH JAPAN Vol.37 No.12「バイオ医薬品製造及び品質試験におけるアウトソーシングの動向」

2021年3月10日 薬事日報 5面「ヒトウイルス試験導入」 

2021年2月5日   月刊ジェネリック「ウイルス安全性評価試験受託事業を拡大」

2021年2月3日   日経バイオテク「生物科学安全研究所と丸紅ケミックス、バイオ医薬品のウイルス試験の受託を強化」

2021年1月19日 化学工業日報 12面 「丸紅ケミックス、受託拡大」


お問い合わせ

ライフサイエンス部のお問い合わせは、
以下メールフォームまたはお電話からお寄せください。

TEL03-4360-3434
FAX03-4360-3508


 

Copyright(C)2017 Marubeni Chemix Corp. all rights reserved.